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FACULTY 教員/研究室

陶器 浩一 TOKI Hirokazu

  • 建築設計・構造計画
  • Architectural Design / Structural Planning
  • 滋賀県立大学 環境科学部 環境建築デザイン学科 教授 2006年10月 ~ 現在
  • 滋賀県立大学 環境科学部環境計画学科・環境・建築デザイン専攻 助教授 2003年04月 ~ 2006年09月

 私は主に建築物の構造設計に携わってきました。建築とは人が生活のために有用な空間を如何にかたちづくってゆくかということであり、それぞれの時代の空間的、機能的要求と素材、技術の展開が結びついて発展してきました。それは一方で自然を改変するという行為でもあり、自然とのかかわりを無視しては成り立たないものです。
 近年の技術の進歩は著しく、人間の生活は大きく変わりました。今や技術によって何でも出来る時代になったといえます。
建築空間を創る技術を見ても、コンピューターの発展や、材料・施工技術の発展、免制震技術の普及等、技術開発は目覚しく、空間の自由度はますます拡がりました。しかし、それは一方で何でもできてしまうという凶器にもなります。技術の進歩がもたらした建物の巨大化、街の過密化は新たなる環境的問題をも生み出しています。
 利便性、効率性、経済性を追求した開発の結果、人間の生活環境、自然環境、さらには地球規模での環境にひずみを生じてきたということが20世紀の教訓です。
技術者は、生物共同体としての地球環境、人間環境に対する重い責任があります。何でもできてしまうようになった今こそ、技術者の良識・主体性がますます求められています。
街が巨大化し過密化した今、ただ単に建物のみのことを考えていれば良いわけでなく、周囲の中でのもののありようやさらに地球という枠の中での建物、まちのありようを考えなければなりません。そのために構造技術の果たすべき役割は大きいし、また、従来の枠組みを超えた新たなる価値観と発想が重要なのではないでしょうか。
 構造設計とは、建物を形づくる骨格の設計です。それは、人が生活する覆いであり、つまりは人が生きてゆくための空間を形づくることです。その空間が集まって街が出来、環境となる。わたしたちは、この環境、空間を形成するということに大きく関わっています。
 従来、構造技術は、いかに「安全に」「経済的に」「合理的に」構造物を造るか、に力点が置かれていましたが、「人間が健康的で文化的な生活を送るための空間」をいかに創っていくかを考えなければならない、すなわち構造物を「造る」ための技術から人間環境を「創る」ための技術へのパラダイムシフトが必要です。
 現代都市は巨大化、複雑化し、様々な環境的問題が顕在化しています。都市の中でのひとのくらしと自然の関係、そのための空間のありかた、都市空間の創造について考察する、即ち、「空間の構成」で現代の社会が失いつつある、“人としての暮らし、潤い”をとりもどし、持続可能な人間環境を創造することが私の研究課題です。

担当授業

  • 構造計画
  • 構造材料実験
  • 構造力学Ⅰ
  • 設計演習
  • 建築技術特論

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