【COVID19関連】建築を学ぶ君たちへ～学科教員からのメッセージ（その4）

　想像を超える出来事が現実に起きています。都市からは人が消え、主役を失った建物が静かに建ち並んでいます。一方、スーパーや郊外の街には人があふれ、生活も価値観も混迷しています。さらに、原油価格の急落は深刻な経済減速を予感させます。それでも世界は今日も回り続けています。
　いつもであれば、この季節は桜の木の下に集まり、太陽の日差し、新緑や湖風を感じていたでしょう。失われた日常にある、それでも美しい自然の風景をみなさんはどのように感じているでしょうか。
　今、私たちにできることのひとつは、広い視野を持ち、この状況に耳を傾けて、少し先の未来のために、遠い先の未来のために、そして大切に想う人のために、考え行動することではないでしょうか。それがいつか、今と未来をつなぐ線になるでしょう。
　ある意味では、近現代建築 は3つの「密」である閉・集・接を作ってきたのかもしれません。これからは、開・散・離をどのように作るかという視点がさらに必要になっていくことでしょう。
　どんなときも、建築を学ぶみなさんの力は想像力と創造力、これは変わりません。
「さあ、一緒に考えよう。希望の光にむかって。」

2020年4月25日　准教授　金子尚志


　世界中が大変な状況になり、当たり前だった日常ができなくなっている日々が続いています。新入生の皆さんにとっても我々教員にとっても、今までなかった教育への挑戦が試される時期ですが、この経験は必ず将来糧になって戻ってくると信じています。人は知っていることしか見えないという話があります。同じものを見ても、その人の知識や感性によって、ひとそれぞれ感じることは異なってきます。皆さんは、まず今自分がいる場所で、物事に対する思考力や身の回りで感じる感覚を育てる訓練を始めてください。我々はその皆さんの成長をサポートできるよう準備して待っています。あともう少しですが、一緒に勉強できる日を楽しみにしています。

2020年4月25日　講師　鄭　新源（ジョン　シンウォン）